21世紀COEプログラム同位体が拓く未来−同位体科学の基盤から応用まで−
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活動計画


要約

卓越した実績を有する名古屋大学の同位体関連研究者が結集・連携し,同位体分離・同位体計測・同位体材料等の同位体科学基盤研究の飛躍的進展と,環境・生命・歴史をはじめとする文理融合分野等への同位体科学の新たな展開をはかります.


図1 拠点形成計画の全体像.

拠点形成の背景と目的

同位体とは,同じ元素でありながら質量が異なる原子のこと,すなわち,原子核を構成する陽子の数が同じで中性子の数が異なる原子のことをさします.また,同位体の違いにより物質の物理的・化学的性質が異なる現象を,同位体効果と呼びます.

同位体は,自然科学から人文科学にわたる広い分野で利用されています.しかしながら,同位体利用手法の研究開発は各分野で個別に行われる場合が多いこと,さらに同位体が非常に高価であること,同位体の存在割合の測定が困難であることなどもあり,同位体の科学・技術が爆発的に展開するには至っていません.

本拠点では,同位体に関連する研究・開発に携わってきた研究者が結集・連携して,同位体科学の基盤から応用にわたる研究を集中的かつ有機的に行います.そうすることで,同位体科学の基盤を飛躍的に発展させると同時に,文理融合分野等への新たな展開をはかります.

拠点の構成 (本拠点に結集する名古屋大学の同位体関連研究者一覧)

本拠点の中核となるのは,工学研究科マテリアル理工学専攻 量子エネルギー工学分野(旧 原子核工学専攻)です.マテリアル理工学専攻量子エネルギー工学分野では,専攻創設以来,原子核エネルギー(原子力)利用のための研究のみならず,新しい原子核(同位体)の創製、同位体の分離,同位体の計測,環境中の放射性同位体の挙動,機能材料の同位体効果など,同位体に関連する研究・教育にも力を入れてきました.

また,マテリアル理工学専攻量子エネルギー工学分野と緊密な協力の下に教育・研究を進めている,量子工学専攻,エネルギー理工学専攻,エコトピア科学研究機構の研究者も拠点メンバーとなっています.

さらに,環境中の同位体計測・微量元素精密計測のパイオニアである原口(応用化学専攻),生体中の同位体挙動研究の専門家である西澤(アイソトープ総合センター),新しい同位体の創製研究を進める柴田(同),同位体を利用した歴史的遺物の年代測定で画期的な成果をあげている鈴木(年代測定総合研究センター)が拠点メンバーに加わっています.これらメンバーを総合しますと,研究者の数,研究分野の広がりとも,世界有数と言えると思います.

拠点メンバーは,それぞれの分野ですでに一級の成果をあげていますが,拠点形成にあたっては,メンバーが密接に協力し合える仕組みを作ることに重点を置きました.その仕組みのひとつが,2分野5部門から成る「同位体科学バーチャル・ラボラトリ」の設置・運営です.メンバーは複数の部門に所属し,部門内はもとより部門をまたいだ共同研究をも強力に進めます.

研究課題と期待される成果

本拠点における主要な研究課題を以下に挙げます.

  • 置換クロマトグラフィー法に基づく廃棄物の少ない同位体分離法の開発
  • 新同位体の創製およびその性質の研究
  • 同位体の組成・配列を制御した新機能材料の創製
  • 機能材料における同位体効果の解明
  • 超高感度・超高精度同位体計測システムの開発
  • 環境中の同位体挙動の研究→大気汚染や温暖化に関する知見
  • 体内放射性同位体分布迅速測定法の開発→医療被爆の低減
  • 同位体を用いた歴史的遺物の年代測定→歴史上の新事実の発見

これらの課題はいずれもすでに研究に着手しているものですが,前述のように研究体制を強化してその飛躍的進展をめざします.

さらに,レーザー共鳴イオン化法に基づく年代測定用同位体分析装置の開発や,微生物による酸化還元反応を利用した同位体分離の研究など,融合展開をめざした拠点ならではの新規研究課題にも取り組みます.

国際的な研究協力・情報発信

原子核工学専攻は,すでに2001年8月に「物理・化学・工学における同位体効果に関する国際シンポジウム」を主催しました.ここでは,ふだんは顔を合わせることもないような様々な分野の研究者が,同位体をキーワードに一堂に会し,活発な議論を展開しました.本拠点では,このシンポジウムをさらに発展させたものとして「同位体科学国際シンポジウム」を開催し,異分野間の研究者の交流を促進します.国際的な協力・共同研究もこれまで以上に推進します.

若手研究者の育成

名古屋大学大学院工学研究科は,「流動型大学院システム」を採用して多専攻型の教育を行っています.本拠点では,これに加えて複数担当教官制を導入し,学生が異なる視点の複数の研究者と議論する機会を制度として設けます.これらの制度によって,ひとつの専門分野にとらわれない広い視野を養います.

また,若手研究助成プログラムを実施するなどして,学生や若手研究者を学際的・先端的な研究活動へ能動的に参加させるとともに,研究に集中できる環境・国際的な経験を積むことのできる環境の整備を進めます.

同位体科学の教育は,同位体という切り口から,環境・材料・エネルギー・生命・情報など21世紀の最重要分野の課題を理解させることでもあり,その解決に向けて活躍できる人材を育成したいと考えています.

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