21世紀COEプログラム同位体が拓く未来−同位体科学の基盤から応用まで−
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拠点リーダーからのご挨拶


山本一良リーダー 山本 一良(やまもと いちろう)
大学院工学研究科 マテリアル理工学専攻 教授

安定同位体,放射性同位体は,科学技術の広い分野で利用されてきましたが,近年,新機能発現につながる大きな同位体効果が発見されたり,量子コンピュータを実現できる可能性が指摘されたりしたこともあり,同位体に対する注目度がますます高くなってきました.従来,同位体の利用は,独立した専門分野で独自の手法で行われてきた傾向にありますが,本来,専門分野研究と同位体計測,必要同位体の供給の研究とが密接につながることによって,はるかに効率的な進展が期待できると考えられます.本拠点は,この観点から構成されたものです.

本拠点の中核となる工学研究科マテリアル理工学専攻量子エネルギー工学分野(平成16年4月に原子核工学専攻から改組)では,原子核エネルギー(原子力)利用の研究に限らず,新しい原子核(同位体)の創製,同位体の分離,同位体の計測,環境中の同位体の挙動,機能材料の同位体効果などの研究にも力を入れ,着実な成果を上げてきました.これに,人体内の放射性同位体分布を迅速・高感度に測定する方法を研究・開発し,被爆低減や医療技術への適用を図っているアイソトープ総合センター,同位体の含有量を分析することで歴史的遺物の年代を測定し,文献調査等に基づく通常の歴史学では得られない情報を明らかにしている年代測定総合研究センターが加わることによって,同位体の基盤研究と融合展開とが密接に結びつき,同位体に関する研究を一貫して有機的に行うことができる体制となりました.これは,新しい文理融合型の研究拠点の形成であり,名古屋大学の中期目標とも合致するものです.

本拠点は,大きく基盤研究分野と融合展開分野に分けることができます.

基盤研究分野は同位体科学を支えるものであり,(1)同位体分離・創製:新しい学術展開で必要になる安定同位体の分離や新規同位体の創製の個別要求に応じるための基盤,(2)同位体計測:安定同位体を超高感度かつ超高精度で計測する技術を確立するとともに、放射性同位体の空間分布を超高分解能(ナノサイズ)でとらえる技術を開発する基盤,(3)同位体材料:同位体効果に関する基礎物理化学に根ざした総合的な材料評価・分析をもとに新規物性発現メカニズムを理解するための基盤,の3つの学術領域にさらに分類することができます.

融合展開分野は時代とともに広がるものであると考えていますが,(A)環境・生命:有機態炭素の環境蓄積・分解を定量的に評価して温暖化を予測する環境研究,および人体内の放射性同位体分布を高感度・高分解能で計測し、先端的医療や生命科学の基礎とする研究,(B)文理情報:年代を基礎にした文化財・人類紀環境の学融合研究の2つの学術領域が主たる対象となります.

さらに本拠点「同位体が拓く未来」では,これらの研究に携わる研究者が結集・連携して,同位体科学の基盤研究の飛躍的進展と新たな融合展開を目指して研究・教育を行います.このような試みは,世界的にも例のない極めてユニークなものです.

小規模な拠点なので,これから数多い困難に遭遇すると思いますが,量子エネルギー工学教室メンバーの頑張りと,全国の関係者のご援助を得て,乗り切っていきたいと考えています.平成15 年度には,全国の同位体科学を専門とする研究者が集まって,「同位体科学会」を設立したところです.同位体科学を幅広く活用できるよう,関係各位のご指導,ご協力を,切にお願いするしだいです.

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